PROFILE
| 志賀信夫 Shiga Nobuo |
| 2005.11.02 |
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今回の展覧会で初めて公開された3Fのスペースは倉庫的、廃墟的雰囲気を漂わせた素晴らしい場所。3つのインスタレーションはどれもよかったが、それにはいつか触れるとして、室伏の舞台。当初1929ホールを予定していたが、ここを見て絶対と、変更した。 本当に倉庫、廃墟のままという状態が保たれている。その一室で室伏が踊り出す。暗い照明のなかでうごめく身体が次第に立ち現れる。これはプロセニウムよりもはるかにいい舞台だ。身体と場、廃倉庫の持つなんともいえない強さ、怖さと身体が干渉する。観客もある種の緊迫感を強いられるが、それ以上に踊り手はこ の空間と戦わざるを得ない。空間が強い、それだけで存在感を持つ。そこに対抗できる身体は日本でもほとんどないだろう。室伏が愚直に貫いてきた身体性はそこに対抗できる唯一のものかもしれない。 そして壁に向かって情交するかのような振る舞い。入口の上に這い昇って落ちてくる室伏の戯れは次第に意味、いや存在を高めてくる。銀色に塗った身体、銀塗りという武装だけでどうこの強い空間と闘うか。室伏は冒頭、1929ホールで銀で参加者の名前を書かせ、そこから十分のこの場までさらに足を運ばせることで、観客を味方につけた。このステージ、知らずに入り込んだらそのインパクトはいかばかりだったか。闇と同化し闘う身体を目撃してしまった観客は、これをどこに収めるのか。 少なくとも室伏は闘う舞踏家であることをこの場にいた観客は誰しも感じたのではないか。 (室伏鴻「quick silver」BankART NYK 3F、2005.11.2)
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