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「余白の白」ー町田久美
の桃猿
『アート・トップ』
2008年6月20日 芸術新聞社
この1月はモロッコのマラケッシュ。桃をかじりながらメディナの広場へ出ると猿回しが寄って来た。そして二匹の猿を私の肩に担がせた。広場には蛇使いもい
て、そちらにも気を取られているとアッという間に猿は私の桃を奪って食べてしまった。これがモロッコの桃猿。今回はブラジルから帰国したばかりで踊りまし
たが、会場の下見ではじめて眼にした町田さんのタブローに「桃猿」を発見して、「わ ヴィクトリー」と私は声をのんだ。これが、桃が取りもつ「町田久美ー
モロッコー吉岡実」の奇妙な三竦み。
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町田さんのタブローを見て日本の<戦後現代詩>を再読したい欲求に強くとらわれました。今回ずっと、その感覚を抱えながら踊っていたように思います。三つ
のタブローにあらわれた大きな余白に、その要因があるのだと思います。その余白の白のポエジー。
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私は『quick
silver』では全身をメタリックな銀色にして踊るので、町田さんの「余白の白」に銀色の裸体が似合うなと直感しながら、ちょっと吹出して、それは封じ
手にして一日考えることにしました。そして余白は、「美学校1969年」に合わせて選曲したジム・モリソンの『Alabama
Song』と、私の突拍子もない未決定の「語り」と、ジェームス・チャン スで織りあわされることになりました。
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紙面よりの一部抜粋です。無断転載不可。